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やまのあべば

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モンチッチ大学ドクターコース在学中

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研究者流出への一歩
カタルヘナ法というのはご存知でしょうか。

「生物の多様性に関する条約」に対応するため、
2004年に施行された国内法です。

この法律の正式名称は
「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」

つまり、実験室などで組み替え生物を取り扱うことを
規制する法律です。

以前、人工的につくった「光るメダカ」の輸入が
問題になったことがありました。

つまり、「そんな人工組み換え生物が環境に
逃げ出して繁殖したら、生態系が乱れるじゃないか。
なんとかそれを避けなければ。」
というのが法律の趣旨。

ところで、遺伝子組み換えと言えば、報道の影響もあって
大豆やとうもろこしを思い浮かべるヒトが多いでしょうか。

動物の場合ではトランスジェニックマウスが有名です。
ヒトの遺伝子などを組み込むことで、
病気の原因の解明などに応用されています。

カタルヘナ法というのはそのような組み換え生物の
利用を規制しているわけですが、
研究者の間では著しく不評です。

不評の原因は実験の申請書を提出して、
文部科学大臣の許可を得るまでに
半年!も掛かるということ。

研究者は常に世界との競争にさらされている
にも関わらず、です。

一連の研究をまとめ上げたけれど、
海外の研究室に論文投稿の先を越された・・・。
なんて話は苦い経験として日常茶飯事。

ところが、半年間は実験を凍結。

はっきり言えば、これは
研究者モチベーション「下がるよな(?)法」
(うまいゴロが見つかりませんでした。うーん。)

ボクは以前、文部科学省の担当官の
説明会に出席したことがあります。

なんとその担当官は、質問者から出た
「GFP」(Green Fluorescent Protein 緑色に光るタンパク質のこと)
という言葉に、

「なんですか?GFPって?」

バイオをやってるヒトなら常識であるはずの知識。

「駐車禁止の標識」を知らない警察官。
「打ったボールがスタンドインしたらホームラン」だと
だということを知らない野球の審判なんて、
まずもって仕事になりませんが、
文部科学省では仕事がもらえるようです。

日本の研究環境は課題が山積みです。

知名度に偏重した研究費分配システム(既得権)。
ポスドクの新たな就職先(就職難)。
閉鎖空間で表沙汰になりにくいアカハラ(パワハラ)。

一つずつ解決しないといけない問題がたくさんあるにも
関わらず、また課題が増えました。

法律の趣旨は理解しますが、運用方法がいけてません。
実験の可否は、

遅くても一ヶ月、最速一週間

で結果を出すくらいにしないと、日本で研究を続けるのは
よほど母国が好きか、研究費の既得権を得たヒトだけ
になるんじゃないでしょうか。

条約の批准国はヨーロッパ各国も含め2006年2月時点で、
131カ国だそうですが、アメリカはまだ批准していません。
(文部科学省資料より)

批准している国は、日本のように審査に半年も掛けているのでしょうか。

10年後。

メルマガ「へっぽこバイオ研究!」は海外から配信!
しているかもしれません。

語学もiPodで楽しく
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鰻の苦味

祖母と歩いていた。

僕が言い出したわけではないが、
祖母が鰻を食べさせてくれるらしい。

すぐそこのスーパーとは全く反対の方向。
歩けば歩くほど、店があるような雰囲気ではない。

田舎みちを、曲がりくねって先が見えないみちを
祖母と歩いていた。

そのとき、何を話しながら歩いていたか。

パッと景色が広がったかと思うと、
八百屋の軒先だった。

とうもろこしを袋に忍ばせて、歩いた。
やはり細いみち。

田舎の民家と見分けがつかない鰻屋。

日が落ちそうなためか、鰻はなかった。
だが、祖母は歩いた。

小さな田舎。
子供が歩けるみちのりに三軒目があった。

気がつくと食卓を囲んでいた。


祖母は僕の手を握り締めた。
細い手。すぐに骨が触れそうな手。

そして、両手で僕の右手を擦り続けて
放してくれなかった。

窓際の白いベッド。
もう帰らないと、おばあちゃん。

祖母は楽しみにしていた。
また孫たちと食卓が囲める。

そう。
祖母はそう信じていた。

僕も。母も。父も。弟たちも。

しかし、祖母が向かったのは
さらに窓が小さくなった。
そして、白いベッドだった。

食卓へと赤みを増していた手は
日に日に赤黒くなった。

彼女の息子、娘たちは、
祖母の最後の夢に楔を打った。

末娘である母。
なすすべはなかった。

祖母は何十年としなかっただろう。
化粧姿でそこにいた。

脂がのった身に一つついていた。
鰻の肝は苦かった。



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