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やまのあべば

Author:やまのあべば
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モンチッチ大学ドクターコース在学中

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鰻の苦味

祖母と歩いていた。

僕が言い出したわけではないが、
祖母が鰻を食べさせてくれるらしい。

すぐそこのスーパーとは全く反対の方向。
歩けば歩くほど、店があるような雰囲気ではない。

田舎みちを、曲がりくねって先が見えないみちを
祖母と歩いていた。

そのとき、何を話しながら歩いていたか。

パッと景色が広がったかと思うと、
八百屋の軒先だった。

とうもろこしを袋に忍ばせて、歩いた。
やはり細いみち。

田舎の民家と見分けがつかない鰻屋。

日が落ちそうなためか、鰻はなかった。
だが、祖母は歩いた。

小さな田舎。
子供が歩けるみちのりに三軒目があった。

気がつくと食卓を囲んでいた。


祖母は僕の手を握り締めた。
細い手。すぐに骨が触れそうな手。

そして、両手で僕の右手を擦り続けて
放してくれなかった。

窓際の白いベッド。
もう帰らないと、おばあちゃん。

祖母は楽しみにしていた。
また孫たちと食卓が囲める。

そう。
祖母はそう信じていた。

僕も。母も。父も。弟たちも。

しかし、祖母が向かったのは
さらに窓が小さくなった。
そして、白いベッドだった。

食卓へと赤みを増していた手は
日に日に赤黒くなった。

彼女の息子、娘たちは、
祖母の最後の夢に楔を打った。

末娘である母。
なすすべはなかった。

祖母は何十年としなかっただろう。
化粧姿でそこにいた。

脂がのった身に一つついていた。
鰻の肝は苦かった。
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